はたち
「僕は二十歳だった。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない。」
ラジオの企画で「未来の自分に手紙を書こう」というものがあった。往復はがきに手紙を書き、時期が経てばこちらに返ってくる仕組みだ。
中学1年の春頃に、書いて送った記憶がある。その手紙が返ってくるのは、ちょうど20歳になるこの時期だったような。本当に返ってくるのだろうか、、、信用はしていない。
実は、数年経った今でも内容を覚えている。
『〇〇ちゃんと××ちゃんとわたし。3人でバンドをやってますか?』
当時の私へ
〇〇ちゃんとはバンドをやっていないよ。
なんなら連絡もほとんどとってない。
××ちゃんとは冬頃ライブに出るよ。
それっきりだけどね。
でも、大学に入って、サークルでたくさんの友達とバンドを組んでライブに出てるよ。
悩みに悩んで選んだベースが、今でも相棒です。
あの頃横目で見て憧れていた大学には入れなかった。でも、大して好きでもない国語を好きになって、それを研究する大学に入ったよ。
友達は沢山できるから、ひとりじゃないよ。
あかねより
20年間生きているだけで勝手に「大人」の扱いをされるなんて、生涯かけても理解出来ない。
いつまでもこどもでいたい。
幼稚園の頃から、将来の夢は猫だった。けど、人間の大人になってしまった。
将来の夢なんて叶わない。
なりたいものにはなれない。
冒頭文、なぜポールニザンのアデンアラビア?と思うかもしれない。
私は斉藤壮馬という声優が好きで、彼が二十何歳かの誕生日の時更新したブログに、同じ引用(?)があった。本を読むのが好きではなかったが、好きな人と同じことはしたかったので、滅多に行かない図書館に行き、衝動的に読んだ。内容が全く理解出来なかった。
実は、今でもよくわからない。永遠にこどもでいたい、そういう気持ちしか残らない。
年を重ねるにつれて、「生まれた時から持ち合わせている障害」が発覚していく。
私は普通の人間になりたい。
いつもいつも、普通の人間になりたいと思い続けている。この文章を打つ今も「普通の人間」に憧れている。
「変わってるよね!」なんてよく言われてきた。何が変わってる?私は普通じゃない?何が普通じゃないの?その普通は誰が決めたの?普通って何?
やっぱり憧れていた「普通」にはなれない。
なりたいものにはなれない。
わたしは
世界の涯てが
自分自身の夢のなかにしかないことを
知っていたのだ
20歳になりました。
目標は初心にかえる、です。🐸
こんな私を愛してください。